山形県大江町、とある集落から二体の神像が発見された。そこは廃村であり、県内に多く存在する廃村・消滅集落と同様に、自然に呑み込まれている最中の場であった。その草木に覆われつつある場の奥に残された「雷神社」。本堂は今にも崩れ落ちそうなほど朽ちていて、その前にあったであろう鳥居はすでに朽ち果て倒れていた。二体の神像はそこから発見、救出された。

この神像は、制作者不明のかなり無骨な姿であり、特異な風神雷神様だ。救出された二体は、東北芸術工科大学文化財保存修復研究センターにより修復され、2018年に開催された、山形ビエンナーレ企画展「山形現代考」にて展示された。

展示室入り口正面に展示された二体の神像は、この企画展の始まりと終わりの象徴となり、多くの人を惹き付けた。展覧会後は大江町歴史民俗資料館に収まることとなった。

今は神像なき「雷神社」に向かった。私は自身の身体(器)に、二体の神像を重ねた。放置された神像・廃村は、現代の早過ぎる進化の中、やがては消滅する身体(器)や無効化された資本を想起させる。AIやブロックチェーンなど、データベースに移行して行く世界はすでに目の前にあり、それと同時に忘れ去られゆく多くの自然や物質の事を考えてしまう。そしてそれは現在や過去ではなく、未来の姿ともいえるのではないか。自然と共に生きる事(神々と共に生きる事)を通して考えていきたい。

Video 

year: 2019

material: HD video, photo, bell, fireworks, wood

time: -----min

model: Hideki Ozuchi

camera: Takuro Goto

風神雷神像 (大江町・雷神社)@山形ビエンナーレ企画展「現代山形考」より

Unknown Gots / Fujin,Raijin

 

​名もなき神々 / 風神、雷神

HD video, photo, bell, fireworks, wood / 2019

© Hideki Ozuchi