山形県上山市内山集落(消滅集落)。冬。辺り一面はかなりの量の雪に覆われ、静けさが漂い、獣の気配は感じられない。自身の足音と吐息、熊除けの鈴と近くを流れる川の音だけが聞こえた。柔らかそうに見えた雪は凍り付き、歩く度に足に痛みが伴った。体温は奪われ、どうしようもない体の震えが止まらなかった。この自然に帰化された場で、裸一貫での人はあまりにも無力であると感じた。

デジタルなグローバル化と資本主義から取り残され、自然に呑み込まれた集落は社会問題にも取り上げられるが、僕は心のどこかで安堵を覚えた。大量の情報に囲まれた環境や、画一化していく様々な状況とは違い、自然は身体や物質に直接訴えてくる。永遠に取って代わるような情報の羅列とは違い、ここにはしっかりとした生身の『死』があり『生』もまたある。

これまで続けて来た、古代彫刻像ポージング撮影。古代ギリシャでは、あらゆる自然に神秘的価値を認め、それぞれの村ごとに神々や英雄がいた。小さな様々な自然に神を宿していた。そこには善と悪 / 生と死が共存し、それを受け入れた人々の営みがあった。自然と共に生きる術が、神々と共に生きる事だったのかもしれない。かつての異国の神々や英雄達に思いをよせて、撮影を行った。

Video 

year: 2018

material: HD video, photo, paper, bell

time: 17:22min

model: Hideki Ozuchi

camera: Takuro Goto

support: Yuko Nemoto

translation: Sakura Koretune

Photographing and landscape #4

 

​撮影と風景 #4

HD video, photo, paper, bell / 2018

© Hideki Ozuchi