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山形市から数十分の距離にある西蔵王(蔵王の山の麓)に頻繁に行く様になって2年ほど経つだろうか。当時、空洞化が進む中心市街地において、場の記憶や行為をもとにしたパフォーマンンスや撮影・遊びをしていた僕は、空洞化や深夜の時間帯による境界線上以外の場所を探していた。ほぼ無人となる深夜の中心市街地においても、固定化した記憶や歴史、撮影に伴う騒音や立ち振る舞い、その姿などに限界を感じていたからだ。ちょうどその時、物理的に壮大な境界線となる山・蔵王連峰が近くにあることを思い出し、友人達と共に通い始めることとなった。

圧倒的な自然の蔵王連峰は、空洞化した中心市街地と対極にあるのではなく、むしろ同じ匂いのする場だという事に気付き、僕は安心と興味、恐怖を感じる事ができた。ある時、友人の美術家から、絵を描く為にモデルになってほしいと頼まれた。山の頂上にて、西洋の彫刻像のポージングをしたヌード撮影だ。誰もいない深夜の山の頂上は、地上よりはるかに気温は低く、風も強い。ポージンングの指示のもと、モデルである僕が山と撮影者の中間となり、撮影者と風景はその場で一つの行為を共有した。後日、僕はその撮影風景自体を撮影したいと思い、古代から近代までの彫刻像のポージンングを5つ(バッカス・円盤投げ・ダビデ・ラオコーン・ゼウス)選び、再び逆撮影をお願いした。ビデオカメを3台用意し、撮影風景(全体像)、被写体(モデルの僕)、撮影者(カメラマン)の3点固定のアングルで撮影した。記録映像を確認した所、被写体(モデルの僕)を写したカメラに撮影と風景を含む要素が自然と入りこんでいた。ポージンング指示を受ける行為のやり取りと、西蔵王の風景、鳥の囀り、虫の群れに囲まれるモデル、熊除けの鈴の美しい音色。固定された一つのカメラの記録は様々な事を物語っていた。

Video

year: 2017

material: HD video, photo, paper, bell

time: 12:05min

model: Hideki Ozuchi

camera: Takuro Goto

translation: Sakura Koretune

Photographing and landscape

​撮影と風景

HD videophoto, paper, bell / 2017

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